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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 20.エインセル ⑮

榮を追い始めて暫く。
わたし達はあの少年を追って路地裏を走っていた。
「それにしても何なんだよアイツ」
急に現れたと思ったら消えやがって…とネクロマンサーは呟く。
「まぁそれより雪葉を追わなきゃいけねーだろ」
呼び出した張本人がどっか行っちゃ意味ねーよとコマイヌはネクロマンサーに目を向ける。
ネクロマンサーはそうなんだけど…と口を尖らせた。
「…」
暫く走った所で、先を走る足音が止まる。
するとその場に先程の小柄な少年、榮が現れた。
「榮…」
先頭を走る雪葉が思わず呟いて立ち止まると、榮はゆっくりとこちらを振り向く。
「榮、急に異能力を使って逃げるとか反則だよ」
皆困るじゃんと雪葉は榮に近付く。
「特に君は…」
雪葉がそう言いかけた時、榮は黙って彼女に手に持つスマホを見せつけた。
その画面は電話番号を入力する画面になっていた。

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