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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 20.エインセル ⑯

「…呼ぶよ」
ヴァンピレスを、と榮は呟く。
わたし達はついぎょっとする。
「…あんたも、ヴァンピレスと繋がっていたんだね」
どうりで…と雪葉は呆れたような顔をする。
「あんたも、脅されてやっているのかい?」
雪葉が尋ねると、榮はまぁと答える。
「…酷い事をするもんだね」
でも、と雪葉は目をつぶる。
「うちらからは、逃れられないよ」
そう言った彼女の瞳は、青白く輝いていた。
「っ‼」
榮はそのまま逃げ出そうとするが、その身体は凍りついたように動かない。
…と、彼の背後から誰かが近付いてくるような足音が聞こえた。
榮が動かない身体を無理矢理動かして後ろを向くと、そこにはツインテールに白いフリルワンピースの少女が立っていた。
「⁈」
榮は声にならない声を上げる。
少女はにんまりと笑い、榮の肩に手を伸ばした。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • このエピソードも今週で終わりそう
  • ちなみに明日から新企画やります!
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