「っ、ぎゃああああああああ‼」
ジャックフロストの異能力の効果が切れた途端、榮は雪葉の方へ倒れつつ叫んだ。
暫くの間榮はその場でわーわーわめいていたが、やがて少女はうるさいなぁと呟いた。
「⁈」
バッと榮が少女の方を見ると、ツインテールの少女は背の高くてガラの悪そうな少年に姿を変えた。
「よ、少年」
彼…師郎はしゃがみ込んで榮の顔を覗き込んだ。
「…え、え、え?」
榮は師郎と雪葉の顔を交互に見て呆然とする。
雪葉はハハハと笑った。
「騙されてやーんの、榮」
雪葉はそう言って上着のポケットに手を突っ込む。
「これはただのトラップだよ」
うちがヴァンピレスと繋がっている訳ないじゃない、と雪葉は続けた。
「で、でも、あの人は…」
榮が恐る恐る言うと、雪葉はあー彼?と師郎に目を向ける。