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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 20.エインセル ⑱

「彼はあんたを足止めするために別行動してたみたい」
それをうちが利用しただけ、と雪葉は言った。
師郎はそれを聞いて、利用されちまったなぁと頭をかいた。
「…と言う訳で、”目の前の人間と同じ姿に化けているように見せる”能力の”エインセル”こと瀬登 榮(せと えい)くん」
雪葉はしゃがみこんで榮の肩に手を置いた。
「事情聴取をお願いできるかな?」
雪葉はそう言ってにっこりと笑った。
「ひいぃぃぃ」
榮は思わず後ずさった。
そして雪葉は榮を立たせると、腕を引いてその場から去っていった。
「…なぁ、どうする」
おれ達置いてかれてるけど、と耀平がふと呟く。
「アイツに付いて行くしかなくない?」
ボクらも被害受けているんだし、とネロは言う。
「あたしは行くわよ」
雪葉の親友なのだから、とこぼして穂積は歩き出した。
「…じゃ、おれ達も行くか」
穂積の様子を見た耀平がネロに目を向けると、ネロはうんとうなずく。
「行くぞ、黎、師郎…お前も」
耀平はわたし達3人を促すと歩き出す。
黎と師郎も2人のあとに続き、わたしも彼らのあとに続いた。

〈20.エインセル おわり〉

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