人と喋るのは好きだけれど、どこかそれを俯瞰して見ている自分がいる。目の前の人と会話しているのに、他人の会話を見ているかのような。相手が話してるのは、それに答えて喋っているのは、自分じゃないような。寂しいとか、そういう感情では決してない。ただ、目の前の出来事が少し乖離して思えるだけ。
自分のことを伝えるのが少し下手かもしれない。同時に、相手のことを知るのも苦手である。新学期、組替えからもう一月以上経つが、それに馴染んでいないことに慣れてしまった。特に馴染む必要もない。自分はクラスの片隅でひたすら勉強している方が余程楽である。嘘という程でもないが、何となくで上手く立ち回る癖がどうもつき始めているようである。ただ、自分が本当にこの人のことを知りたいと思える人には、きちんと自分を伝えられるようになりたい。そうすればきっと、少なくとも正直なままでいられると思うから。