眠くなってきた。
ついさっき危機的状況に陥ったばかりなのに、その恐怖も忘れて、ゆずはうとうとしていた。
「ゆず、起きて」
「…ん」
「もうちょっとだから…」
せんちゃんに半ば引きづられつつついてく。
「あーもう…はい、おんぶね」
「うー…ごめん、ありがと」
せんちゃんは小柄なので物理的にはちょっと頼りないが、疲れていたゆずにはそんなこと関係なく。
「優しいっていうか…甘やかしっていうか…甘いねせんちゃん…」
「うるせ!眠いなら寝な、寝室に寝かせといてあげるから」
「ん…ふあぁ…」
大きくあくびをしてゆずは意識を手放した。