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鉄路の魔女:Nameless Phantom その②

『私』が自我を得た時、既に下半身は機械の蹄を持った馬のそれだった。ただでさえ文字通り『馬力』のある脚が、更に機械仕掛けでパワーを強化されている。そんな私の蹴りを受けて尚、あの二人は立っていた。どうやら各々、武器で身体を庇っていたようだ。
「さて……困ったなァ…………喧嘩は良くないって常識じゃンかァ…………」
イマジネーションはさっきの人から十分もらってるから、戦うには足りる。
「…………けどなァ……そういうの良くないもんなァ……」
残念ながらアオイちゃんもミドリちゃんもやる気満々みたいなので、取り敢えず自衛のために武器は用意しておくことにする。
右手を真上に掲げ、その中に私の武器、金属製の六角柱に持ち手を付けたような武骨な外見の棍棒を生成する。取り敢えずそれを肩に担ぎ、2人の様子を見ることに。
「くっ……アイツ、武器を出した。やる気だよアオイちゃん」
「うん……かなり大きい。不用意に射程に入らないようにしなきゃ」
2人はどうやら作戦会議をしているようだ。まあ、こちらから仕掛ける理由も必要も無いわけだし、のんびり待とうか。
2人は声を潜めてしばらく会話していたが、20秒ほどで切り上げ、こちらに向かってきた。その足取りはさっきまでの勢いのあるものとは違う慎重なもので、試しに棍棒を軽く振って見ると、すぐに後退ってしまう。
「どうしたの? 私を倒すンじゃァなかったの?」
「うっ……うるさい! お前なんか、私たち2人で掛かれば楽勝なんだから!」
ミドリちゃんがそう言った。頼もしいね。
それから数秒ほどだろうか、2人が遂に動き出した。

  • 鉄路の魔女
  • ケンタウロスちっくな見た目
  • この魔女ちゃんたち血の気が多いよぉ……
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