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Side:Law in Black Market:真黒な闇から真白な貴方へ 前編

今からおおよそ200年ほど前の事だったでしょうか。世界は軽く滅亡しました。
理由ですか? いえ、私はその頃生まれてすらいませんでしたので……。資料? 残っているわけ無いじゃないですか。紙の書類や書物はどれもこれも真っ先に燃料になっちゃいましたし。もしかしたら誰かがデジタルメモリで保存しているかもしれませんが……少なくとも私は知りませんね。情報が欲しいなら〈アッパーヤード〉にでも行ってみたらいかがです?
さて閑話休題。種の滅亡を目前にしたとき、本能的にそれを回避しようとするのが生物というものです。幸い、『ヒト』という種族にとってもそれは同じだったようですね。
世界各地の大都市(メトロポリス)を拠点として、スカイ・スクレイパー群の上層へと逃げるように移住した人間たちは、争ったり協力したり、ウヨキョクセツを経た結果、やがて収斂進化的におおよそ3つのエリアが成立しました。
1つ目に〈アッパーヤード〉。さっきちらっと口にしましたね。最低でも地表から100m以上の高さに位置し、そのメトロポリスの有力者や権力者の居住区と、図書館や情報関係の施設など、人類にとって重要になる施設が多く見られるエリアです。“天界”なんて呼び方をする人たちもいますね。
2つ目に〈グラウンド〉。目安として、地表から40m以上に位置し、生き残りの子孫のおよそ7割が暮らしています。ちなみに〈アッパーヤード〉の人口比率はおおよそ2割ほどです。
“地上”とも呼ばれるこのエリアの特徴はスカイ・スクレイパー群の間に橋渡しするように増築された迷路のような居住区です。ぱっと見、本当にそこが地表みたいに見えるんですよ。下から見上げたり遠くから眺めると壮観ですよ、おすすめです。

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