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深夜の迷子 未明


……
大きく揺れた。
「…?」
ゆずの意識が覚醒する。どうやらせんちゃんごと横向きに倒れているようだ。
「せんちゃん?どうしたの?」
「起こした?すまん、下山目前なんだがな…『神隠し』に見つかった」
そう言うが早いかせんちゃんはゆずを庇いつつ転がって体制を立て直した。
「えっ!?うわぁ!?」
ゆずの眠気が飛んだ。確かに目の前の大きな影は『神隠し』である。勢いよくこちらに突っ込んで来、ごろりと一回転し、黒板を爪でひっかくような奇声をあげた。
「…全く降りられない」
ゆずを米俵式に抱え、ぽつりと呟く。
「撒けないの?」
「撒ける…けど、朝までには帰れないな。あまり時間が経つといろいろとまずい」
せんちゃんの声に焦りが滲む。
「家までは送ってやれないけど、山からの道は分かる?」
「わ、分かる…山からは流石に大丈夫だよ」
「…そう」
せんちゃんはゆずを、投げた。
「ええ!?また_」
せんちゃんの方を見ると、神隠しの足がせんちゃんの頭を踏み潰そうとしている。刹那、せんちゃんが左腕を振りかぶった。ゆずの額に、まっすぐ何かが飛んでくる。

  • SLBM書きたい
  • 次か次の次に終わる
  • 飽きんの早かったから破綻が
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