夜、日が暮れた頃。
とある大学構内の廊下を、2人の奇妙な雰囲気のコドモが歩いている。
「…それにしても、お前がここに来るなんて珍しいな」
普段は店のことで付きっきりなのに、と黒髪でゴスファッションのコドモことナツィが、隣を歩くジャンパースカート姿のコドモに目を向ける。
「今日は臨時休業だからね」
暇だろうから外へ行っておいでってマスターが言うから、とジャンパースカートのコドモ…かすみは微笑む。
「ふーん」
ナツィはそう頷いて前を向く。
「…ナツィは、今日も“ご主人”の付き添い?」
今度はかすみが尋ねると、ナツィはまぁと答える。
「別に俺はいいんだけど、あの人が一緒に行こうって言うから…」
ナツィがそう言いかけた時、不意に2人の進行方向から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
2人が声のする方に目を向けると、廊下の角から見覚えのあるコドモたちが歩いてくる。
「…それで、もしもの時はどうするの?」
「もしもの時はベニに…」
わいわい話しながら歩いてくる4人の内の1人である金髪のコドモは、反対方向からやって来るナツィとかすみに気づくとあっ!と手を挙げる。