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視える世界を超えて エピソード9:五行 その⑦

「とりあえず、これで全員知らない顔じゃなくなったわけで……ようやく本題に入れる」
種枚さんが口を開いた。
「この5人で、寄合を組むのさ」
「寄合?」
聞き返したのは白神さん。
「ああ。主目的は、『怪異存在の殲滅』。人間の世界に混ざり込んだバケモノ共を、悉くブチ殺してやるのさ」
「おい鬼子、一つ質問だ」
平坂さんが尋ねる。
「何だいね?」
「それが主目的だというなら、何故ソイツがこの席にいる?」
彼が指差したのは、白神さんだ。そういえば、彼女は妖怪なんだったか。尋ねられた側である種枚さんは面倒そうに眼を泳がせた。
「あー……まあ、それを話すと面倒になるからなァ…………うん、流石に『殲滅』は言い過ぎた。流石にたった5人で街一つカバーは無理だ」
「え、もしかしてその人、人間じゃないんですか?」
これは岩戸青葉ちゃん。
「ああ、コイツは妖怪だよ。雷獣」
「ひどいよねぇ。すっかり人間の生活に慣れきって、何なら自分が妖怪であることすら忘れかけてたのに、この人のせいですっかり妖怪側に逆戻りだよ」
種枚さんと白神さんが答えた。

  • 視える世界を超えて
  • 青葉ちゃん霊感無いから分からないんだね……
  • 平坂さんは過激派だからなぁ
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