0

鉄路の魔女 〜Megalopolitan Witches. Act 4

「あたしたちだって、みんな仲良しって訳じゃないのよ」
突然のスカーレットの呟きに、水色の髪の少女は不思議そうな顔をする。
「どうしたの? スカーレット」
水色の髪の少女の言葉にスカーレットは横に首を振った。
「…なんでもないわ」
さて!とここでスカーレットは手を叩く。
「さっきの幻影を倒してしまいましょ!」
今頃さっきのあたしの一撃で…とスカーレットは言いながら前を見るが、そこにはすでに何もいなかった。
「あ、あれ?」
いない…とスカーレットは呆然とする。
「幻影は逃げたよ」
どっかの誰かさんの邪魔のせいで、とウグイス色の髪の少女は淡々と言う。
「ちょっ、“ウグイス”…」
あたしは助けに来ただけってのにとスカーレットはうろたえる。
「そうだな」
お前の勝手さのせいだとシルバーは頷く。バーミリオンや彼女の傍に立つ黄色い髪の小柄な少女も静かに頷いた。
「みんなぁ…」
スカーレットはそう言ってうなだれるが、すぐに顔を上げる。
「ま、いいわ!」
あの幻影、探すわよ!とスカーレットは笑う。
「人間たちに危害を与えられちゃ困るし」
ささ、行くわよ!とスカーレットは歩き出す。
「あ、おい待て!」
シルバーはスカーレットを引き留めようとしたが、スカーレットはさっさと行ってしまった。
「…仕方ねぇ」
私たちも行くぞとシルバーが言うと、スカイやグリーンは静かに頷く。しかしウグイスは嫌そうな顔をした。
「あーほらウグイスってばそんな顔しないで〜」
わたしたちも探しに行くよーと水色の髪の少女が手を叩く。だがウグイスはいいと横に首を振る。
「あんな子、どうでもいい」
「そんなこと言わないでよ〜」
水色の髪の少女はウグイスを諫めるが、ウグイスは嫌そうな顔をしたままだ。だがここでバーミリオンが割って入る。

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。