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鉄路の魔女 「眠り」

てくてくとおばあさんの方へ歩いて行く。
すると、

「貴女、そこで何してるの⁉︎早く線路から出さなさい!」

おばあさんはそう叫び、小走りで駆け寄ってきた。
驚きのあまり一瞬フリーズした後、
くるり、と踵を返しもと来た方向へ駆け出す。

「ちょっと、貴女!」

振り返る事なく走る。
迂闊だった。
猛省しつつ、1番端の線路まで行き、更に線路沿いに西へ走った。

(もういいかな。)

踏切のあたりで、ようやく足を止めた。
遮断機に座り、懐中時計を出す。
そろそろ人が多くなる時刻だ。
どのみち、駅に居る訳には行かなかったのだ。
むしろ幸運だったかもしれないぞ、と言い聞かせ、列車を待つ事数十分。

(列車が来ない...?)

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