野営の準備が整うと、 辺りは丁度夕焼け色に染まる頃だった。 薪探しに出て行ったエミィを待ちながら、 カナは写真を取り出した。 全体的に煤けて端が焦げ、色の褪せた写真。 そこには、どこかで見覚えのある幼女と夫婦らしき男女が写っていた。 男の方は割と綺麗に残っているが、女の方は、右側が焦げ、顔の辺りも煤けて見えなくなっている。 一般的に、ここに写っているのは、彼女の家族だと思うだろう。 しかし、この写真にはカナは写っていない。