もう既に五分以上経過している...筈だった。 懐中時計の秒針は停止している。 否、それどころか、全てのものが停止していた。 幻影の仕業なのか。 だとしたら重大だ。 とにかく、辺りを散策してみる事にした。 (でも...) この辺りに廃線になった場所はない。 本数の減少はあれど、「完全なる廃線」はない。 山吹自身、古くはあるがまだ現役で動いている。 姉妹、友人もそうだ。 つまり、廃線からはるばるここまでやってきたか、 何かによってここで発生した可能性がある。