「まだ未熟な学生魔術師の使い魔だから、何かとんでもないことをするとは思えないんだけど…」
ピスケスはそう呟くが、ナツィはそうとは限らないだろと真面目な顔をする。
「ああいうちびっ子は危なっかしーんだよ」
誰か年上が付くべき…と言いつつナツィはテーブルの上の自分のティーカップに手を伸ばす。
しかしティーカップに触れる直前にぴたと動きを止めた。
「?」
何かに気付いたようにナツィは顔を上げる。
かすみはどうしたのナツィと尋ねると、ナツィは暫くの沈黙の後口を開いた。
「…今、気配がした」
ナツィがそう呟くと、ピスケスはそうねと頷く。
「明らかに近くで大きな魔力が動いたような気配がしたわ」
露夏も静かに頷く。
「魔力の気配って…」
かすみがそう言いかけた時、建物の階段の方からキャーッという誰かの悲鳴とガシャンという大きな物音が聞こえた。
「⁈」
部屋にいる4人はバッと顔を上げる。