学校からの帰り道。目の前にぬいぐるみが座っていた。
何かの動物をモチーフにしているんであろう、実在の生き物では確実に無い何か。
それに気を引かれながらも真横を通り過ぎようとすると、すれ違う瞬間、それの首がぐりん、とこちらに向いた。
「わぁ生きてた!」
「やぁ、ミチカちゃん」
ぬいぐるみが私に話しかけてくる。何故これは私の名前を知っているんだろう。
「……取り敢えず何? ぬいさん」
しゃがみ込んで目線を合わせ……いや高さ15㎝かそこらのぬいぐるみと完全に目線を合わせることは不可能なんだけど……とにかく用件を聞くことにする。
「ねぇミチカちゃん、『魔法少女』になってみたくないかい?」
「何それ」
「煌びやかな衣装を身に纏い、華やかな魔法を自在に操り、化け物達と戦って世界を守る、素晴らしい人種さ」
「へぇー……お断りしまーす」
立ち上がって帰ろうとする私を、ぬいぐるみが引き留めた。
「ま、待ちたまえよ! 君だって一度や二度はあるだろう。『魔法』や『ファンタジー』に憧れたことくらい! ぼくの誘いを受ければ、『魔法少女』としてどんなことだってできるようになるんだ!」
「へぇ興味無いなぁ」
「そ、そんな……」
企画参加ありがとうございます。
待ってましたナニガシさん。
なんか某キュ◯べえみたいな妖精だな、胡散臭そう(笑)