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月になりたい

月の光はどんな味だろう
と ふと思った


きっと甘くて芳ばしい、それでいてかすかによそよそしいような
風味


人気者の彼は誰もいない教室でひとり、黒板を消していた
あの血管の浮き出た腕で
あの笑顔の裏のため息で


彼はメロンソーダと月の光、どちらを選ぶのだろう



ふと青空を見やると昼の月が私を照らす
半月だった。

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