炎の鞭を伝って、サホも地上に降りてくる。
「良い追撃だったよ、サホ」
「うん。さて、怪物は……」
2人はぐったりとしていた怪物に目をやった。それはすぐに頭を上げ、周囲を見回した後に素早く立ち上がる。
「……結構タフじゃん?」
「結構ドカドカやってたのにねぇ……?」
突如、怪物が咆哮をあげた。2人が身構えていると、怪物は身を震わせ、背中から4対8本の追加腕と無数の棘を生やし、2人に相対した。
「……ねえサホ。何かアイツ、強くなってない?」
やや沈んだ声色で、タツタが言う。
「手負いの獣、ってやつかな?」
やや震えた声で、サホが答える。
「……ってことは」
タツタの口角が、邪悪に吊り上がる。
「アイツは今、絶体絶命ってことだ」
「あ、なるほどーポジティブ思考」
「それじゃ、『必殺技』と行こうじゃないの」
「りょーかーい」