うとうとしていたら お湯が沸いて 虫がそばをとおって 窓の外で信号がかわった 雑草に目をこらして引き抜けば 奥多摩のトンネルのにおいで締めつけてほしくなった それと同じように 訪れるのではなく過ぎさる季節を折りたためば ニセコの雪に寝てしまいたくなった 遠いな わたしはなぜここにいるのだ 生活を選べないので 自分に布団をかける今日が すこしだけにくい