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回復魔法のご利用は適切に_5

シオン、固有魔法が発覚してから二週間。
まるで当然のように、いつの間にか保健委員になっていた。
「せっかく昼休みですのに、一緒に遊べないなんてつまりませんわ」
「うーん…私も、勉強とかより外でいっぱい遊びたいタイプなんだけど…しょうがないよね」
エリザベスはシオンと話したいがために保健室に入り浸るようになった。あっという間にもう5月後半で、雨も増えてきた。
「シオンさんは、頭痛とかも治せますの?」
「原因にもよるけど…なんで?」
「私、雨の日は頭が痛くなりますの。今日は特に酷いものだから、できたら治していただければ…なんて」
エリザベスは途中から気まずそうに目を逸らした。小声で図々しいかしら、と呟いたのがシオンには聞こえた。
「気にしないで、治るかはわからないけど…やってみるよ」
…翌日、偏頭痛を治してもらったとエリザベスが話しまくったせいでシオンのあだ名がなぜか『看護師』となってしまった。

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