「…ま、穂積はうちを守るために彼女に手を貸していただけだもんね~」
「ちょっ、恥ずかしいから言わないでよ‼」
雪葉にからかわれる穂積を見ながらわたしは苦笑する。
…この街は、常識の外の存在である”異能力者”が存在する街なのだが、ここ最近1つだけ問題がある。
それは他の異能力者の異能力を奪う異能力者…”ヴァンピレス”の存在だ。
どこからともなく現れては、気ままに他の異能力者襲いかかる厄介者。
ついでに本名を始め素性が全く不明なため、彼女に対抗することは非常に難しかった。
「…やっぱ、ヴァンピレス対策って難しいよね~」
ネクロマンサー位協力な異能力者じゃないと倒せそうにないし、と雪葉は空を見上げながら呟く。
「情報屋のミツルも彼女についてたくさんは知らないみたいだし」
もうどうしようもないよね~と雪葉は笑った。
「ホント、全くよ」
穂積もそう言って腕を組んだ。
…暫くその場に沈黙が流れたが、ふと雪葉がわたしの方を見た。
「そう言えば君…何であの4人とよく一緒にいるの⁇」
君、常人だよね?と雪葉は聞く。
わたしはへっ、と驚く。