…とここでネロが呟く。
「ま、こんな所っでいつまでも悩んでるワケにもいかないし」
とにかく行こう、とネロはイスから立ち上がる。
「やっぱり駄菓子屋?」
「せいかーい」
耀平とネロはそんな会話をし、他の皆もわたしもイスから立ち上がろうとする。
しかし、ここで聞き覚えのある声が飛んできた。
「あら?」
パッとわたし達が声のする方を見ると、つば広帽を被ったワンピース姿の背の高い少女が休憩スペースの入り口に立っていた。
「もしかしてあなた達…」
さっき屋上にいた…と彼女は呟く。
「あ、さっきの!」
わたしがそう言うと、ネロがもしかしてこの人が?とわたしに小声で尋ねる。
「うん」
さっき話してた人だよ、とわたしはうなずく。
ネロはふーんと少女の方を見やった。
少女はわたし達のひそひそ話を見て不思議そうな顔をしていた。
「…それにしても、どうしたんです?」
こんなショッピングモールの隅っこで、と雪葉がわたしやネロから彼女の気を逸らすように聞く。