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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 21.ティアマト ⑥

少女はあぁ、と答えた。
「ショッピングモールのあちこちを周っていてね」
そうこうしている内にここへ辿り着いたの、と少女は微笑んだ。
「それにしても、皆はどこかへ行くの?」
少女が急に聞いて来たので、わたしはあ、はいとうなずく。
「これから商店街の駄菓子屋へ行くんです」
わたしがそう言うと、少女は駄菓子屋かーと反復する。
「昔行ったかしら…?」
少女が不思議な事を言うので、わたしは昔って?と何気なく尋ねる。
彼女はあーこっちの話、と笑った。
「私、昔は寿々谷に住んでいたんだけどね」
色々あって当時の事覚えていなくて…と少女は呟く。
「でもいいな~、駄菓子屋」
行ったら色々思い出せるかも、と少女は言う。
”色々あって”が少し引っかかったけれど、わたしは何気なくこう聞いた。
「…じゃあ、わたし達と一緒に行きませんか?」
「えっ」
わたしの言葉にネロと耀平が驚いたような声を上げる。
少女はえっいいの⁇と嬉しそうに聞き返す。

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