幸運にも、川はそこまで遠くはない。
てくてくと五分も歩けば着く。
カナはブーツと靴下を脱ぎ、ズボンの裾をまくって川に飛び込んだ。
釣り道具などは無いので手掴みになる。
「...えいっ!」
気合とともに川に手を突っ込むと、魚...ではなく、
ビンだった。
ラベルは剥がれかけていたが、どうやら強い酒の様だ。
未開封だったので、ありがたく頂戴した。
魚は2匹捕まったが、これ以上漁はできないと思い引き返した。
テントに戻ると、エミィは熟睡していた。
...とても気に障った。