「うっふふふふふ」
どこからともなく聞き覚えのある高笑いが聞こえてきたのだ。
わたし達は思わず辺りを見回す。
「ご機嫌よう、皆さん」
次に声が聞こえた時には、わたし達の目の前に白ワンピースにツインテールで赤黒い瞳を持つ少女が立っていた。
「アンタは‼」
ヴァンピレス!とネロは怒鳴る。
「え、誰?」
知り合い?とあま音さんはポカンとしたようにわたし達の顔を見やる。
わたしは慌てて何か言おうとしたが、何を言えば良いか分からず困り果ててしまった。
「さっきから妙な気配がすると思ったら、アンタだったのか‼」
ネロはそう言って両目を赤紫色に光らせる。
「…ねぇ、何なのあの子?」
ヴァンピレスのただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、あま音さんは不安そうな顔をする。
それを見た耀平は、おいお前とわたしの方を見た。
「ネクロが奴を引き付けている内に、あの人を連れて逃げろ」
わたしは思わずえ、と驚く。