「ね、ねぇ、これはどういう事なの⁇」
あの女の子は誰なの?とあま音さんはわたしに尋ねる。
「えっと…」
わたしはどう彼女の事を説明すれば良いか分からず言葉に詰まってしまう。
どうしようとわたしが思った時、不意にうふふふふと高笑いが聞こえた。
わたし達が声のする自分達の走って来た方を見ると、白いワンピースのツインテールの赤黒い目を持つ少女が立っていた。
「どうして」
わたしがそう言いかけると、彼女…ヴァンピレスはどうしても何もと続けた。
「貴女達はわらわの策にはまったの」
貴女達が先程遭遇したのはわらわが他の異能力者から奪った異能力で作った分身、とヴァンピレスは言う。
「本物のわらわは、今ここにいるわらわよ」
ヴァンピレスの言葉にわたしはそんなと絶句する。
「…じゃあネクロマンサー達は」
わたしがそう言うと、ヴァンピレスはええと答える。
「彼女達は貴女達を逃がしたつもりみたいだけど、まんまとわらわの罠にかからせたみたいねぇ」
滑稽だわぁとヴァンピレスはわざとらしく笑った。