「えっ……と…………?」
ヤツが困惑している。流石に古い伝統は今ドキの若者には合わなかったらしい。
まァしゃーない。何、オイラも日々学び成長してンだ。色々試してみようゼ。
『ミラクル・クエスチョォン!』
「はぇっ!?」
オイラがハイテンションに呼びかけると、ヤツの肩がとんでもなく跳ねた。面白れ。
『今晩、アナタに“奇跡”が起きまァす! 明朝目覚めたその瞬間、アナタの身には何が起きているでしょォーかっ!』
「え、ええ……?」
ナントカって国じゃァ最近ブームのやり方らしい。
ヤツはしばらく目を泳がせまくった末、何やら思いついたようで急に身体の動きが止まった。そのまま答えを待つが、…………おいコイツ何も言わねェぞ。
『……オイどうした?』
「え、えっと……その…………あの………………」
ヤツは言い出せずにいるようだが、悪いがオイラにゃお見通しなんだワ。
『キッヒヒヒヒ……そうだよなァ? テメエが今晒されてる“イジメ”、無くなってほしいよなァ?』
ヤツの表情が変わった。ビンゴ。
『その手助けをしてやろうッつってんだヨ』