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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 21.ティアマト ㉓

「私、思い出したよ」
昔の事、と彼女は続ける。
「私…サヤカちゃんと友達だった」
小学校から帰る方向が同じで、同じキーホルダーをランドセルに付けていたから仲良くなったのと彼女は笑う。
「…でも、私。小4の途中で引っ越す事になっちゃって」
新しく通う事になった小学校に馴染めなくてさ、と彼女はうつむく。
「私、死のうとしたの」
でもそれじゃ私の事を知ってる人皆が悲しむから、私は自分の異能力で大切な人の”自分に関する”記憶を消すことにしたんだとあま音さんは呟く。
「それでサヤカちゃんの記憶も消したんだけど」
「え」
わたしは思わずポカンとする。
「そ、それって…」
「まぁ私達はずっと前に出会ってたって事ね」
あま音さんはそううなずく。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • 次でこのエピソードもおしまい
  • 明日から新企画始めます! お楽しみに~
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