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Flowering Dolly:魂震わす作り物の音 その⑤

投げ出されたビーストは、首をじたばたさせながら口の中のものを飲み込んだ。それに伴うように、前脚部分に対応する焼けた瘡蓋が剥がれ、地面に落ちる。ヤツはそれも喰らい、結果として露わになった傷口から勢いよく1対の腕が生えてきた。
「ん……生えたね、腕」
「ってことは、向こうの攻撃力が復活したわけだな」
「それだけじゃないよ」
あいつを抱えて、真上に跳躍する。同時に、ビーストがすごいスピードで突っ込んできた。ヤツは私達の真下を通過して、けーちゃん……ケーパの家に頭から突き刺さる。
「あ、あの野郎また俺の家を!」
「台所だけじゃなく食卓まで壊す気かぁ!」
「いやそんなミクロな視点でキレられても」
「とりあえず……っと」
着地。ケーパもいるから膝と腰を深く曲げて衝撃はしっかり殺す。
「けーちゃん無事? 身体痛まない?」
「あぁ無事。取り敢えず行ってこい、フィスタ」
「…………」
あいつの脇腹を少し強く小突く。
「痛って」
「そう呼ぶなって言ってんでしょーが」
「いや今言ってる場合じゃ……ごめんって」
「それじゃ、私の勝利を祈って待て」
「おう」
あいつと拳を突き合わせ、化け物に向けて飛ぶように突っ込んだ。

  • Flowering Dolly
  • 多分グータッチはナニガシの性癖
  • 余裕ぶってるけどコイツ契約前なんだよな
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