私がその人に出逢ったのは、何もかも覆い隠す様な吹雪の日だった。
「君、何してるの?」
半壊したドアから顔を覗かせたその人は、群青色の髪をしていた。
「...に、..の...う。」
「どうしたの?」
「何、その格好。」
その人は、久々に昔の服を着たんだよ、と微笑んだ。その格好は、まるで。
「お嬢ちゃん、魔法使いなの?」
「んなっ⁈...まほ...っ!」
少し言葉を濁したあと、
「魔法使いじゃない。失礼だから、魔術師、って言い給えよ。」
と訂正された。