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魔狩造物茶会 Act 5

「…」
ナツィは思い切って扉を開けることにした。
そっとドアノブを回し、扉の隙間から中を覗き見る。
そこにはナツィにとっては見慣れた、誰もいない書類や荷物の多い部屋が見える。
気のせいか、と思ったナツィは扉をゆっくり開き、室内へ片足を踏み入れた。
その時だった。
「!」
誰かが部屋の奥の机の陰から飛びかかってきたのだ。
ナツィは咄嗟に黒鉄色の大鎌を出し、相手が持つ太刀を受け止めた。
「…」
相手はボロ布のような頭巾付きの外套を身に纏っていたせいで顔がよく見えなかったが、その身から滲み出る魔力の気配から人間でないことがナツィにはよく分かった。
「…っ‼︎」
ナツィは思い切り鎌を振り回し相手の武器を弾く。
太刀は高い音を立てて部屋の床に落ちた。
相手は一瞬驚いたようによろめくが、すぐにその背後から光弾が飛んできた。
ナツィは慌ててそれを避ける。
見ると部屋の奥の机の陰から先程の太刀を持った人物と同じような外套を着た人物が、黄色い魔力式銃を構えて現れた。

  • 魔狩造物茶会
  • ちなみに企画参加作品はあと少しで完成しそうです
  • 土日に完成させて来週の月曜から投稿し始めるつもり
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