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Flowering Dolly:アダウチシャッフル その②

煙幕の薄れつつある中、少女キリは片手剣を右手に握り直し、再びビーストに突撃する。閃光手榴弾を投擲しながらビーストと衝突する直前で直角に曲がり、そのまま背後に回り込む。閃光弾の光と音に一瞬気を取られたビーストの隙を突いて振り下ろされた斬撃は、鱗に深い亀裂を走らせた。
「チィッ! まだ軽い、ヴィス!」
「了解!」
“ヴィス”と呼ばれたドーリィは頷いて指を鳴らした。瞬間、キリの手の中に“ドーリィ”ヴィスクムの固有武器、7本の片手剣のうちの1本が現れる。
左手の剣による刺突は、鱗の亀裂を正確に捉え、砕き、その奥の肉に深々と突き刺さった。
想定外の痛覚反応に、ビーストは9つの頭部で咆哮をあげながら、全ての頸で牙を剥き、一斉に頭突きを放つ。
「スワップ!」
ヴィスクムが叫ぶように言い、手を叩く。
瞬間、2人の位置が入れ替わり、ヴィスクムは両手に握っていた剣で敵の攻撃を受け流しきった。
「ぎりぎりセぇーフ……」
短距離転移によって“マスター”キリの隣に移動し、そちらに向き直ったビーストと睨み合う。
「身体の調子は大丈夫、キリちゃん?」
「いや全く。多分内臓駄目になってる。骨と筋肉も」
「全部駄目じゃん」
「ただの人間なんで」
「んー……とりあえず、順番にスワップしていこう。お腹の中から順番に。脚は動く?」
「……動く」
「それじゃ……ゴー!」
ヴィスクムが手を叩くのと同時に、キリはビーストに向けて駆け出した。

  • Flowering Dolly
  • bgwgしてきた。
  • そういう魔法。
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