0

五行怪異世巡『きさらぎ駅』 その⑥

青葉が振り返ると、カオルの上半身だけが現れ、右手で青葉の身体を抱き締めるようにしながら白神を睨みつけていた。
「か、カオル⁉」
「……ワタシ、こいつ好きじゃない。さっきの電撃、ただの電気じゃ無かったでしょ。嫌な感じがした」
「そうなの?」
きょとんとして尋ね返す白神をしばらく無言で見つめてから、カオルは溜め息を吐いて表情を少し和らげた。
「君、カオルちゃんっていうの?」
「まあ。親しんでもらうための渾名みたいなものだけど」
カオルはややぶっきらぼうに答えた。
「カオル、〈薫風〉が無くても出てこれるの?」
「そうだよぉワタシの可愛い青葉。半分だけだけどね」
青葉の問いかけには、輝くような笑顔と明るい声色で答える。
「今のワタシは、魂の半分をワタシの可愛い青葉の愛刀に、もう半分をワタシの可愛い青葉自身に宿しているの。ワタシはいついかなる時でも、ワタシの可愛い青葉を守れなくっちゃだからね。それよりも、ワタシの可愛い青葉?」
「な、何?」
「今の状況、霊的な意味ですっごく嫌な感じなんだけど、分かる?」
青葉はその問いかけに、恐る恐る首を横に振った。

  • 五行怪異世巡
  • 零感青葉ちゃん
  • スタンドやんけ
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。