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五行怪異世巡『きさらぎ駅』 その⑦

「そっか。じゃあ説明するね。まず、ワタシが肉体を顕現させるのって、結構エネルギーを使うの」
「エネルギー?」
「そう。ワタシはそのために、大抵青葉に降りかかる霊障とか、呪詛とか、妖気とか、そういう悪いものを吸収したのを使うんだけどね。今、すっごく身体が楽なの」
「……それって、どういう……?」
「ワタシがずっと姿を現していられるくらい、ワタシの可愛い青葉はこの空間にいるだけで妖気を浴び続けているんだよ」
それを聞いて、青葉の顔がさっと青褪める。
「大丈夫だよ、ワタシの可愛い青葉。ワタシがいる限り、ワタシの可愛い青葉が悪い影響を受ける事だけは絶対に無いから」
「ああ、うん、そうだねカオル……」
「……はいはーい、メイさんからちょっと質問」
白神の存在を忘れているかのように二人で話している青葉とカオルをしばらく無言で眺めてから、白神が手を挙げた。
「何、妖怪?」
カオルが睨みつけるようにして問い返す。
「カオルちゃんはアオバちゃんのこと、『ワタシの可愛い青葉』って二人称で呼んでるの?」
「え、うん」
「そっかー」

  • 五行怪異世巡
  • 二人称が狂ってる系付喪神(?)
  • そう易々と姿を出せる子では無い
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