0

Flowering Dolly;STRONGYLODON Act 2

「僕は別に君に会いたくて会ってる訳じゃないんだし〜」
仕方ないんだよ〜と青緑色の髪の少女は口を尖らせる。少年はため息をつきつつじゃあ、と続ける。
「早くマスターを見つけてくださいよ」
ドーリィなんでしょ、と少年は目の前の人物にジト目を向ける。青緑色の髪の少女はうっと焦る。
「少年、どうしてそのことを」
青緑色の髪の少女がそう言いかけた時、近くでそれはアテクシたちが教えたことですのよと声が聞こえた。
パッと2人が見ると、近くの2人がけのテーブル席の椅子から赤い髪をツインテールにして黒い和服風ワンピースを着た少女が立ち上がっていた。
「貴女が全くこの少年に正体を明かさないから、アテクシと麗暖(れのん)が教えてさし上げましたの」
ねぇ?と赤髪の少女は目の前の椅子に座るツーサイドアップの少女…麗暖を見る。彼女はええ、と頷く。
「クラスメートに親切にしないのは麗暖たちの道理に反してるから」
だから教えてあげたのよ、と麗暖は微笑む。青緑色の髪の少女はなんとも言えない顔をした。
「アテクシたちドーリィは適正ある人間と契約して戦うのが使命というもの」
それなのに貴女はなぜフラフラしているのかしら?と赤髪の少女は青緑色の髪の少女に詰め寄る。あ、いや〜と青緑色の髪の少女は思わず目を逸らす。
「僕はあまり戦いたくないというか〜」
「そんなことを言うんじゃありません!」
貴女…と赤髪の少女は声を上げるが、ここでり、リコリス!と諫めるような声が飛んでくる。彼女たちが声の主の方を見ると、赤髪の少女と麗暖が囲むテーブルの隣のテーブルから、長い白髪で緑のジャンパースカートとボレロを着た少女が立ち上がっていた。
「ゼフィランサス?」
どうしましたの?とリコリスと呼ばれた赤髪の少女が尋ねると、ゼフィランサスと呼ばれた白髪の少女はあ、えーととうろたえる。
「ちょっと、言い過ぎかなーって…」
ゼフィランサスは小声で呟く。リコリスはため息をついた。
「貴女、アテクシたちの使命をお忘れになったの?」
アテクシたちは異界からやって来るビーストから人類を守るために生み出された存在なのよ?とリコリスは腰に両手を当てる。

  • Flowering Dolly
  • 字数制限ギリギリ
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。