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Flowering Dolly:Bamboo Surprise その⑪

「ただいまァー、おタケちゃーん」
SSABに帰還したフィロは、真っ先に机上の籠の中で眠る赤子に駆け寄った。赤子タケはそれに気付き、彼女に両手を伸ばす。
「無事に帰って来たよぉおタケ、お前がいてくれたお陰さ。お前は生きているだけで偉いし可愛いねぇ。人間の子どもってのは本当に素敵な生き物だ……」
タケを抱き上げるフィロの背後で、ササとサヤは興味津々の様子で2人の様子を眺めていた。
「ああそうだ、サヤちゃんとササちゃんにも紹介してやろうね。この赤子が私の“マスター”可愛い可愛いおタケちゃんさ」
「ふおぉ……」
「あかちゃん……」
「赤ん坊ってマスターになれるんだ?」
「なってるってことはなれるんだねぇ」
2人が赤子をつついていると、SSABの入口扉が開き、事務員が入ってきた。
「ぴひゃあ⁉」
裏返った悲鳴をあげ、ササはサヤの背中に隠れる。
「あ、フィロスタチスさん。お疲れ様です……その双子は?」
「ん。今日拾ったドーリィとそのマスターだよ。どうも孤児の宿無しらしくってさ、私のところで引き取るが構わないね?」
「え、ええまあ、はい……それじゃあ色々と手続きするから君達もちょっと協力してくれるかな?」
事務員に手招きされ、サヤは臆さず、ササはその背中に貼り付いてびくびくとしながら、それに応じた。

  • Flowering Dolly
  • こっちもぬるりと完結
  • ササちゃは地味に極度の人見知りだったりする
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