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魔狩造物茶会 Act 10

夜、日が暮れて随分と経った頃。
人でごった返す繁華街で、黒い外套の頭巾を目深に被ったナツィは人混みを掻き分けるように歩いていた。
暫く大通りを歩いたのち、ナツィは迷うことなく裏路地に入っていく。
そこは騒がしい通りとは打って変わって、人気が少なく物々しい雰囲気を醸し出していた。
ナツィは周囲を気にしながらてくてくと裏路地を歩いていたが、不意においとどこからともなく声が聞こえてきた。
思わずナツィが立ち止まって辺りを見回すと、ナツィから見て右手側の年季が入った雑居ビルの外付け階段の3階部分の手すりに、レモン色の髪をツーサイドアップにしたスクールファッション風のコドモが座っていた。
「ここはあたしたちのテリトリーだ」
そんな所にずけずけと入ってくるなんて、何者だ?とレモン色の髪のコドモは地上に飛び降りる。
ナツィは黙ったままそのコドモの方を見つめる。
「おい、答えろ」
答えなきゃ力ずくで…とコドモが右脚のホルスターに収めていた黄色い魔力式銃を取り出した時、ナツィは蝶が象られた大鎌を出して相手にバッと向けた。

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