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魔狩造物茶会 Act 20

「いや、まだまだ戦ってる途中なんだけど」
ナツィがそう言うと、ピスケスは違うわよと返す。
「私たちの目的はお前を取り戻すこと」
だから相手を倒す必要はないの、とピスケスはフューシャの顔を見る。
フューシャは驚いたような顔をしていた。
「それに私たちは近い内にまた会えるもの」
ピスケスがそう微笑むと、ヤマブキはまさか!と飛び跳ねる。
「ええ、そのまさか」
ピスケスは続ける。
「だから、首をよーく洗って待ってなさいな」
ピスケスはそう言うと、構えていた短弓と背中の白い翼を消して、行くわよと大通りに向けて歩き出す。
露夏やかすみ、キヲンもそれについていく。
ナツィは少し不満げな顔をしていたが、1つため息をつくと大鎌を消して歩き出した。
路地裏には呆然としたままの野良の人工精霊たちだけが残された。

〈魔狩造物茶会 おわり〉

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