「ねぇナツィ」
フューシャたちと戦い終えてすぐ、大通りに出た人工精霊たちはそのまま駅に向かって歩いている。
そんな中、かすみは外套の頭巾を被って黙ったままのナツィにポツリと話しかけた。
「どうして1人で飛び出して行っちゃったの?」
あの子たちはその内“学会”がなんとかするって言ってたのにとかすみはナツィの顔を覗き込む。
しかしナツィは外套の頭巾を目深に被ったまま沈黙していた。
「…ナツィ」
かすみは再度呼びかけるが、ナツィは無視する。
かすみは歩きながら前を見る。
「…もしかして、“あの人”に危害を加えようとしてたから?」
その言葉に、ナツィはぴたと足を止める。
やっぱり、とかすみは立ち止まって微笑む。
「“あの人”のこと、大好きなんだね」
「⁈」
ナツィは驚いたように飛び跳ねる。
かすみはふふと笑って続ける。