「杖かぁ!そりゃあ大変だ、ほら、こっち座った!」
半ば強制的に椅子に座らされる。
巻き尺の巻きつきまくった、見るからに何かはかる用であろう椅子だ。
エルはくるくると椅子の周りを歩き出した。
「ふぅん…見た目より小柄だな。手足が長めで…うーん、やっぱ軽いな、ちゃんと食ってんのか?」
エルの独り言であろう言葉に目を白黒させていると、リンネが呆れながら口を開いた。
「エル、ブツブツ呟きながら観察するのやめなよ。結構怖いんだよ?それ。」
「知るか、採寸は重要なんだよ…左の靴底が低いな…兄ちゃん、アンタ利き手どっちだ?」