さっきのあの子のかな、とおれの中にそんな考えがよぎる。
「…どうした耀平」
仲間の1人がおれの様子を伺う。
「あ、あー」
えーとな、とおれは言いかけてふとあることを思いついた。
「あ、そうだ」
おれは不意に呟く。
「ちょっとさ…行ってきて良い?」
そう言って、おれは先程の少女が去っていった方を指さす。
「ちょっとって何?」
「どういう事?」
皆は口々にそう言ったが、おれは気にする事なく続けた。
「まぁ、良いからさ…行ってくる!」
そう言っておれは缶片手に歩き出す。
「ちょ、ちょっとどこ行くんだよ耀平!」
仲間の1人はそう言っておれを引き留めようとしたが、おれは気にせずパーカーのフードを被る。
そして両目を黄金色に光らせた。