「おれは”コマイヌ”」
人間としての名前は生駒 耀平(いこま ようへい)と彼は言う。
「お前は?」
目を光らせるのをやめた”耀平”がボクに聞いてくる。
面倒くさと思いつつ、ボクは両目を赤紫色に光らせた。
「ボクは、”ネクロマンサー”」
「人間としての名前は?」
すかさず耀平が尋ねてくる。
「…言わなきゃいけない?」
ボクがいぶかしげに聞くと、耀平はえー知りたいじゃんと返す。
呆れたボクは目を光らせるのをやめてこう言った。
「滋賀(しが)、禰蕗(ねろ)」
ふーん、ネロかと耀平はうなずく。
「で、どんな異能力だ?」
ちなみにおれは”人やモノが辿った軌跡を見ることができる”能力なんだけど、と耀平はニコニコ顔で言った。
「…それも言わなきゃいけないのかよ」
ボクは思わずジト目を耀平に向ける。
「良いじゃん」
だって知りたいし、と耀平はしゃがみ込む。