「…」
笑顔で聞いてくる相手に押され、ボクは諦めて話すことにした。
「ボクの異能力は…”人間やモノの記憶を見たり扱ったりできる”能力」
耀平はお、すげーじゃんとこちらへ近寄ろうとする。
「…」
ボクはすっと耀平に手を向ける。
その途端手の中に”黒い鎌”が現れた。
「⁈」
自分に向かって鎌を向けられ、耀平は驚いて動きを止める。
「ボクはこんなモノを出せるんだぞ」
あまり関わらない方がいい、とボクは彼に冷たい目を向けた。
耀平は暫く目をぱちくりさせていたが、やがてすげぇと呟いた。
「すげぇじゃんお前!」
耀平はそう声を上げて立ち上がる。
…は?とボクはポカンとした。
「だって具象体が出せるんだぜ?」
マジすげーよ!と耀平ははしゃぐ。
「…別に、凶器と変わんねーからすごくなんかねぇよ」
ボクは具象体を消しながら言う。