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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 番外編 スプリングミーティング ⑨

「だからボクとは関わるな」
ボクはそう言い放ったが、耀平はえーと返す。
「何でそんなに関わって欲しくないのさ?」
おれ達同族じゃん?と耀平は聞く。
ボクはため息をつきつつ答えた。
「別に、人間が嫌いなだけ」
それに対し耀平はどうして?と尋ねる。
「…何でって」
そんなのどうでも良いだろ、とボクは耀平に目を向ける。
「何だよソレ」
耀平は苦笑した。
「まー良いんだけどさ」
耀平はそう言ってもう1度缶ジュースを差し出す。
「これ」
お前のだろ、と耀平は言う。
「受け取れよ」
ボクは思わず沈黙する。
しかし耀平はほらとボクに缶ジュースを近付けてくるので、ボクは諦めて受け取る事にした。
その様子を見て耀平は笑った。
「じゃ、おれはこの辺で」
友達待たしてるからさ、と言って耀平は踊り場をあとにした。
「…」
ボクはその後ろ姿を見送った。

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