これは僕が小学校に入学したての頃でした。
当時の僕は乗り物が大好きな少年で、乗り物に乗る時は、先頭か窓側の席を必ずといっていいほど座っていました。
夏休みのあの日、僕は自宅の最寄り駅からおばあちゃん家まで1人で電車に乗っていくことになっていました。それも普通列車とは違う観光列車に乗車して向かう予定でした。観光列車の始発駅に向かう列車を待っているとそこには通過待ちをしていた乗車予定の観光列車が止まっていたのです。色鮮やかな観光列車に僕は夢中になっていると当時常務していた運転士さんが降りてきて、写真を撮ってくれました。ここまでは一般的な優しい鉄道員だと思います。ですが、その時の運転士さんは普段は入ることの出来ない運転台に案内してくれ、車掌体験やブレーキ操作、警笛を鳴らさせてくれました。そして、運転士の証であり、憧れである制帽を被せてくれました。
僕はあの日、あの時から鉄道員になり、僕が夢を貰ったように今度は多くの子供たちに夢を与える鉄道員(運転士)になると決め、今、憧れであった第1志望の鉄道会社に内定をいただくことが出来ました。