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五行怪異世巡『肝試し』 その⑦

青葉と“野武士”がそれぞれの武器で同時に襲い掛かるのを、悪霊は明らかに不自然に身体を折りたたみながら回避し、腕を2人に伸ばす。青葉は跳躍によって回避し、“野武士”は無数の腕の霊“草分”に引きずられてその場を離脱する。
更に2人が正面から外れたのと同時に、犬神が自身の能力で土壁の破片を射出し、悪霊に直撃させた。土塊は着弾と同時に粉砕し、悪霊の周囲に土煙が上がる。
土煙の中から高速で伸びてきた2本の腕が3人を狙って暴れ回るが、その攻撃は犬神の展開していた土壁に防がれた。
「……うーん、ちょっと困ったな」
犬神の呟きに、あとの2人が視線を向ける。
「どした?」
千ユリが訊き返す。
「……いやさぁ。私のこの土を操る力はさ、私に憑いてる犬神にお願いして使ってるんだけどね? この子、どうも臆病なところがあってね? だから私が手綱握ってあげないとなんだけど……多分、あの悪霊のせいでこの一帯が穢れてるんだろうね。普段ほど自由に力が使えない。防御用の障害物を展開するくらいが限界だから、攻撃は2人に任せるね」
「へェ……役立たねぇヤツだなー」
「いやぁごめんね。あ、来る」
犬神の警告とほぼ同時に、土壁が悪霊に殴り砕かれる。千ユリはエイト・フィートに自身を引き寄せさせ、青葉は犬神を巻き込んでその場に倒れ込み、その攻撃を回避した。

  • 五行怪異世巡
  • この辺滅茶苦茶入り乱れ過ぎてる
  • 素手と飛び道具が封じられたか……
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