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Trans Far East Travelogue91

俺達は無事にチェジュ国際空港に到着し,飛行機も定刻通り大阪に向けて離陸した。
嫁は「日本帰れるんやね」と言った後旅の疲れが残っていたのか眠りにつき,俺は「よりにもよって大阪かよ…関西の薄味料理苦手なんだけどなぁ…」と呟き万が一に備えて後輩に用意してもらっていた分厚い時刻表を取り出して次の行き先を考えていた。
着陸後、後輩の「メードンとかどうです?明日のならお二人の分手配できますよ」という提案に「それ良いかもな!せっかくだし奮発しようぜ。でも,メーテンじゃなくて天サで頼めるか?」と返すと後輩は頷き嫁は「何の話?」と訊くので「明日の夜発の夜行バスで君と、とある面白い街に行くことになりそうなんだけど,その出発地が君もよ〜知っとる町なんよ。今日の新幹線でそこ行けそうだから、今夜現地入りしようぜ」と笑って返すと嫁も何か察したのか笑みをこぼす。
そうして入国審査も終えて市街地に行くべく乗り込んだ特急ラピートの車内で「先輩、9時半発最終ののぞみです。宿はBFでなんとか取れました。その後,明日21時のバスで7時半ビジネスセンター到着予定です。でら高い個室取れたのでごゆっくり。」と言うのを聴いて嫁が「今夜はどこ行くと?」と不安そうに尋ねるので俺が「さくらの券面見してくんない?」と声をかけると「はい、こちら小倉までの新幹線の切符です」とサラッと口にしたので嫁は「え?福岡帰ると?」と言ってかなり嬉しそうだ。
嫁とは対照的に作り笑いをしている俺を見て「先輩,明日1日我慢すれば明後日は天国ですよ」と耳打ちする後輩の一言に無言で頷き,窓の外を見るともう終点の難波が近い。
結局1時間半の余裕があるので3人で道頓堀に行き串カツを食べ、新大阪の新幹線改札に着いたら後輩は最終の快速に乗り換えて地元の刈谷に帰るとのことで東京方面の,一方俺達は新山口方面のホームに向けて歩き出し、定刻通りやって来た新幹線のグリーン車に乗り込む。
そうしてかつては海路で来た道を今度は陸路で西に向けて船より数倍速いスピードで瀬戸内を駆け抜ける。

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