「さて……これで百鬼夜行は44名。あと5人くらい知らない子がいるはずなんだけど……あ、君達。鼓笛隊! おいでー」
白神の呼びかけに、3体の付喪神が近寄って来た。
「うふふ、君たちのことは覚えてるんだぁ。盛り上げ役になってくれそうだったからね」
白神に群がる手足の生えた琵琶、琴、鳴子の3体を見下ろし、平坂は溜め息を吐いてそれぞれに紙製の札を貼った。
「時に白神、『鼓』も『笛』もいないようだが」
「えっ……じゃあ……ブラスバンド?」
「真鍮製の楽器は1台も無いがな」
「じゃあ何て呼べば良いのさぁ」
「好きに呼んでやれ」
「じゃあ駄目出ししないでよぅ」
「……さて、これで白が4、黒は45のうち5か」
白神を無視し、平坂は木製の杭を5本用意した。
「……なあ白神。いっそこいつら全員まとめて吹き飛ばせばどうだ」
「許すわけ無いよね?」
「チッ……なら、顔を覚えている奴だけでも分けておけ。俺は不届き者を消し飛ばす準備をする」
「りょーかーい」