「そう、なの…?」
「うん」
使い魔の名前は作った人が決めるものだよ〜と金髪のコドモは笑う。
暫く寧依はポカンとしたまま固まっていたが、やがてふと手元のスマホを見やった。
そこには8時10分と表示されている。
「あ、もうこんな時間」
そろそろ行かなきゃと寧依はロールパンの最後の一口を口に放る。
「時間?」
金髪のコドモが聞くと寧依は、そろそろ行かないと1限に間に合わないからとコップの水を飲み干し、それを持って台所へ向かう。
「ボクの名前はー?」
「それは帰ってから考える」
コドモの質問に寧依は洗い物をしながら答える。
「そんなー」
金髪のコドモは不満げにローテーブルに伏した。
そんな金髪のコドモを気にせずコップを洗ったり歯を磨いたりして身支度を済ませた寧依は、部屋の隅に置いてあるリュックサックを背負うと部屋の玄関に向かった。
それに気付いた金髪のコドモはとたとたと玄関に駆け寄る。